エレベーターピッチ 例文7選|30秒で話す台本とAIプロンプト

要約

よいエレベーターピッチは、掴み、課題、解決策、実績、依頼という5つの役割を、約30秒・英語で約75語以内にまとめます。本記事では、創業者、求職者、フリーランス、投資家向けなど7つの例文を紹介します。AIには初稿を作らせ、実績の数字は必ず自分で入れ、声に出して練習してから使うのが実用的です。

異業種交流会のオフィスロビーで、エレベーターの前で気軽にピッチを交わす2人のビジネスパーソン

エレベーターピッチ 例文を探すと、声に出すには固すぎるか、曖昧すぎて使えないものが多く見つかります。実用になるピッチは、英語で約75語、話し終わるまで約30秒で、最後に具体的なお願いが1つ入っています。この記事では、そのまま声に出して使える例文を7つ紹介します。あわせて、AIで下書きを作るときに広告コピーのような文章にならないためのプロンプトも紹介します。

30秒のピッチは、5つの役割を75語以内にまとめる

数字には根拠があります。Toggl のエレベーターピッチ解説は、30秒のピッチは英語で約75語が目安だとしています。一般的な話す速さは1分あたり120〜200語とされています。75語に収まるのは、5〜6文ほどです。Shopify のピッチガイドも、同じ数字に行き着いています。

使える語数はかなり限られていて、どの文にも役割があります。私たちの下書きで最後まで残りやすい順番は、掴み、課題、解決策、実績を1つ、そして具体的なお願いが1つです。どれかを抜くと締まりがなくなり、6つ目の文を足すと自己紹介文になってしまいます。

出発点にしている骨組みは次のとおりです。

以下の例文は、この順番に沿っています。どこで順番を崩しているかも、併せて示します。

創業者からフリーランスまで、7つの例文

これらは紙に書くためではなく、耳で聞くために作っています。どの数字も、あなたの数字に置き換えるための仮の値です。判断する前に、まず声に出して読んでみてください。各例文は、英語版で55〜80語に収まるよう調整しています。

1. 異業種交流会での創業者。 「飲食店向けの予約管理ツールを作っています。多くのオーナーは、席を埋めるために電話とスプレッドシートを行き来しています。無断キャンセルで、約10組に1組の来店が失われています。私たちのツールは、前日に来店客へSMSでお知らせを送り、混雑する日は少額の予約デポジットを預かります。導入先では、2か月で無断キャンセルが3分の1減りました。貴社のグループで運営責任者の方に一度ご覧いただきたいのですが、今週木曜では早すぎますか?」

2. 転職フェアでの求職者。 「B2Bのコピーライターです。専門的な製品ページを、営業チームが見込み客に実際に送れる文章へ書き直しています。昨年はSaaSのオンボーディング配信を書き直し、初週の活性化率が31%から44%に上がりました。社内にコンテンツチームがあり、ファネル全体を担当できるポジションを探しています。御社の募集で、いちばん近いのはどれでしょうか?」

3. 顧客に提案するフリーランス。 「毎週記事を公開しているのに検索で上がらず、営業チームもその記事を使っていないのではないでしょうか。上位30本の記事を監査し、検索意図を直し、弱い10本を書き直します。前四半期には、あるクライアントのオーガニック経由の申込みが月40件から95件に増えました。候補となる3本の記事について、金曜日までに1ページの監査資料をお送りできます。」

4. 投資家向けのピッチ。 「独立系クリニックは、直前のキャンセルによって予約枠の約5分の1を失っています。私たちは、患者さんが自ら登録したキャンセル待ちリストから、1時間以内にその枠を埋めます。現在38院で稼働しており、春からの売上は前月比で18%伸びています。2カ国への展開に向けて、シード資金の調達を進めています。リテンションのデータを今夜お送りしてもよろしいでしょうか?」

5. 上司への社内提案。 「当チームは、対応時間のおよそ60%を、同じ12の質問に費やしています。2週間かけて、その質問に答えるヘルプセンターのセクションを作り、問い合わせ件数を測定したいと考えています。問い合わせが少なくとも15%減らなければ、中止します。予算はかかりません。月曜日から始めてもよろしいでしょうか?」

6. 副業プロジェクトを軽く話す場合。 「雑に録った音声メモを、きれいなToDoリストに変えるツールを作っています。車の中でアイデアを失くしてばかりいたので、作りました。今は週に約400人が使っています。ご自身も、誰かに向けて音声でメモを残すことはありますか?」

7. 非営利団体からの依頼。 「毎年冬になると、地区の約100世帯が暖房費の支払いのために食事を削っています。私たちは申請書なしで暖房費を直接支払い、48時間以内に対応します。昨年は212世帯を支援できました。毎月25ユーロの寄付で、1世帯の1か月分をまかなえます。今週から始めていただくことは可能でしょうか?」

インデックスカード、ストップウォッチ、コーヒーがデスクに置かれ、30秒のピッチを準備している様子

説得力のないピッチが、どれも同じに聞こえる理由

何百本ものピッチを読むと、失敗はいくつかのパターンに集まります。「私たちは生産性ツールを作っています」は典型例で、聞き手の頭に映像が浮かびません。「課題解決に情熱を持っています」は個人版の同じ失敗です。どちらも、なぜ自分が気にかけるべきかを、相手に考えさせてしまいます。

失敗の大半は、3つの癖から来ています。1つ目は、結果ではなく肩書きから始めること。2つ目は、数字で言えるところを形容詞で飾ること。3つ目は、「今度ぜひつながりましょう」で締めることです。これは、忘れてくださいと言っているのと同じです。

逆の習慣は地味ですが効きます。形容詞はすべて、数字か固有名詞に置き換えてください。「速い」は「1時間以内」に、「多くのお客様」は「38院」に変わります。置き換えられないなら、まだ証拠がないのかもしれません。その場合は、正直に「今検証している内容」を伝えるほうが信頼されます。

AIが役立つ場面と、役に立たない場面

AIは良い初稿の作り手ですが、自分の信頼性を判断する役には向いていません。どのアシスタントにエレベーターピッチを頼んでも、文法的に正しく、バランスが取れていて、すぐ忘れられる文章が返ってきます。そのままでも許容できる水準ですが、一度手を入れると使える状態になります。

AIが得意なのは、量を扱うことと、短く圧縮することです。2分間の回りくどい説明を渡せば、数秒で75語に切り詰めてくれます。掴みの案を5つ頼めば、そのうち1つは残す価値があることが多いです。1つのピッチを異なる相手向けに調整するのも得意です。

苦手なのは、証拠をつくることです。実際の数字を与えなければ、もっともらしい数字を作ってしまいます。話し言葉のピッチで作り話の数字を出すと、部屋の空気を一瞬で失います。AIが提案する統計は、すべて自分の数字で埋めるべき空欄として扱ってください。

スマホで録音しながら、声に出してピッチを練習する創業者

初稿を作るための、使えるプロンプト

汎用的な指示からは、汎用的なピッチしか生まれません。私たちが使っている構成は次のとおりで、どのツールでも機能します。

あなたは、耳で聞いて伝わる文章を書く編集者です。75語相当の話し言葉のエレベーターピッチを書いてください。相手: [どんな人で、何を大切にしているか]。場面: [どこで話すか]。自己紹介: [役割と、具体的に行っていること1つ]。解決する課題: [誰の、どんな損失か]。実績: [実在する数字か顧客1社]。依頼: [小さな次の一歩1つ]。ルール: 流行語を使わない。私が提供していない形容詞は使わない。短い文を使う。最後は依頼で終える。掴みの違う案を3つ出してください。

3つの指定が重要です。「耳で聞いて伝わる文章」という指定は、書き言葉的で名詞の多い表現から遠ざけます。「私が提供していない形容詞は使わない」は、誇張された主張を防ぎます。掴みを3つ頼むことで、受け入れるしかない1案ではなく、選べる3案が手に入ります。

その後は、声に出して編集します。各案を読み上げ、息が切れる箇所に印をつけて、そこで切ります。一息で言えない文は、ピッチに入れないでください。

下書きに使うツールの選び方

ブリーフ(指示文)はツールより重要ですが、ツールごとに癖はあります。以下は確かめるべき傾向であり、ベンチマークの結果ではありません。

Claude は、自然な話し言葉のリズムを作りやすく、「私が提供していない形容詞は使わない」といったルールに従う傾向があります。語数が少しオーバーすることがあるので、そこは簡単に削れます。ChatGPT は、やり取りが速く、掴みの案を複数出すのが得意です。ただ、最初の案は「効率化する」のような定型の動詞に頼りがちなので、それを避けるよう指示してください。

Copy.ai はテンプレート中心の設計なので、1つの入力からピッチ、LinkedInプロフィール文、フォローアップのメールをまとめて作りたい場合に向いています。Jasper は、ピッチが既存のブランドボイス文書に沿う必要がある場合に検討する価値があります。その文脈を保存できるからです。ただ、個人の1本のピッチに対しては、準備の手間が仕事の規模に見合わないことが多いです。

どれも、一般的に最強のツールというわけではありません。それぞれ、特定の状況で最も役立つものです。75語ほどの文章では、ツールの差よりも、良い指示と雑な指示の差のほうがずっと大きくなります。

1つのピッチを3人の相手向けに、10分で調整する

うまくいくピッチができたら、本当のてこは複数版を作ることにあります。変わるのは実績と依頼で、課題と解決策はほとんど変わりません。

顧客向けなら、相手の悩みから始めて、トライアルかデモで締めます。投資家向けなら、市場の空白から始めて、データの提供を依頼します。投資家の最初の「はい」は、たいてい「数字を送ってください」だからです。同僚や採用担当者向けなら、自分が出した具体的な成果から始めて、相手の仕事についての質問で締めます。人は、聞いた言葉より交わした会話をよく覚えているからです。

AIで実践するなら、ベストなピッチを貼り付け、新しい聞き手と新しい依頼を明示して、2つの書き換えを頼みます。数字は固定してください。すべての数字を変えないよう指示し、後で数字が動いていないかを確認します。

異業種交流会で握手をする2人のビジネスパーソン

ほとんどの下書きに見られるミス

頼みすぎる。 廊下で初対面の人に「1時間お時間をいただけますか?」と聞けば、ほぼ断られます。「1枚の資料をお送りしてもよろしいですか?」なら、受けてもらいやすくなります。

一字一句を暗記する。 暗唱したピッチは、暗唱したように聞こえます。文章ではなく5つの要素を覚えてください。そうすれば、相手が口を挟んでもどれか1つを落として話を戻せます。相手は必ず口を挟みます。

競合を隠す。 相手の代替手段がスプレッドシートや競合製品、あるいは何もしないことなら、それを半文で名指しします。Shopify のガイドも、競合に触れると主張がより信頼されると指摘しています。

声に出す確認を省く。 読んで気持ちよい文章は、話すと硬く聞こえることがよくあります。一度、スマホで自分の声を録音してください。居心地は悪いですが、効果があります。

私たちが実際に使うなら

状況に最も近い例文を1つ選び、自分の実績に差し替えて、75語の上限を守ります。最初の3案と相手別の版はAIで作り、最終版は手で書き直して、自分の声に近づけてください。時間が5分しかないなら、依頼と数字に使ってください。聞き手が別の誰かに繰り返すのは、その2つだからです。

よくある質問

エレベーターピッチの長さは、どのくらいが目安ですか?
30秒で話し終わる長さが目安です。本記事の例文は英語版で約75語に収めています。掴み、課題、解決策、実績、依頼の順に組むと、長すぎず短すぎない分量になります。
AIに書かせたピッチを、そのまま使ってもいいですか?
文章としては自然でも、数字や実績がもっともらしい作り話になっていることがあります。数字は必ず自分の実際の値に置き換え、声に出して読んでから使ってください。
例文の数字は使えますか?
例文の数字はすべて仮の値です。自分の実績に置き換えてください。
相手ごとにピッチを変えてもいいですか?
変えて問題ありません。課題と解決策はほぼそのままで、実績と依頼を相手に合わせて変えるのが基本です。同じ実績の数字は、どの版でも変えずに一致させてください。
暗記したほうがいいですか?
文章を丸暗記するより、5つの要素を覚えるほうが効果的です。相手が話に割り込んでも、要素の順番を保ったまま話を戻せます。
練習はどうすればいいですか?
スマホで自分の声を録音し、聞き返すのが手軽です。息が続かない箇所は、文を短くしてください。